英語の 発音記号を 書いて 見せる – 英会話講師のテクニック
英会話と 英語の 違い として 英会話 では 発音に関する 質問が多いことが 挙げられます。
例) Heart – Hurt の発音は どう違うのですか? 同じ発音ですか?
他の英会話 スクールでは 講師が単語を発話して 講師が音の違いを 聴覚で 聞き分ける ような教え方を試みています。
しかし そのやり方では 学習者の方の記憶に 音の違いは長く残りませんし、音の差異を明確に説明することができません。 短時間でその音の高低・強弱・長短を記憶定着させることが可能なのは 音楽(メロディ)であって、音素(英語の音の最小単位)は 抽象度が高く 中期記憶に 昇華するのは 難しい という仮説を MPE は持っています。
HINT
– 83%の情報は視覚情報から得ている – 『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社 1972)
– 視覚優位の形で物事を記憶してきた学習者は、聴覚から記憶する力が弱い
英語音声の学習において、運動学のように、模倣 ⇒ 再現 の上達パターンを 否定する訳ではありませんが、英語の音には 複雑性が あり 模倣 ⇒ 再現 のサイクルに落とし込めないと思います。
– 上記 の例) Heart と Heart の違いを 説明する際も 6個の単語を 陳列しないと 矛盾の無い説明ができない。 模倣 ⇒ 再現 の パターンに落とし込むには 英語の音声の説明は 複雑すぎます。 (研修では チャートを用います)
聴覚が未発達であれば、視覚から 英語の音 について説明しよう。 英語の発音記号を 並べて 見せた方が 音の法則性が分かりやすいし、短時間で 深い理解が生まれます。 英語の音を 音素まで分解し、さらに 発音記号を書いて 音の違いを説明する。 楽器の演習に例えれば、実際に音楽を聴きながら、メロディと コード進行を 記し、3点から 説明するということに 似ています。
英語の発音記号に 音韻論は 反映されていない
音声面から見て 英語の特異性の一つとして 挙げられることは 英語の辞書には 発音記号 が掲載されている ということです。
つまり 英語圏以外の人(日本人も含む)から見ると、英語の発音ルールは 複雑で 不規則であると言えます。
また、留意点として 覚えていただきたいことは 英語の発音記号は 音声学の観点から 作られたルールであって、音韻論を 反映できていない という点です。
発音記号を 見るとき 学習者は たいてい 強勢(アクセント)のある所に 注目します。 しかし MyPace English の講師は * 弱母音 に注目します。
* 弱母音 (weak vowel): 弱アクセントを受け弱く発音される母音のことである. /IPA-I/ と /IPA-U/ の記号は強母音にも弱母音にも使われるが, /i/, /schwa/, /hookedschwa/, /u/, /jIPA-U/, /ju/ は常に弱母音を表わす。 (出典: 研究社 新英和中辞典)
強勢か 弱母音か – これは 音声学、音韻論、どちらに軸足を置くかの違いに当たります。
勘の良い 講師の方であれば 聴覚記憶と音韻ループ(音韻ストアと、構音リハーサルメカニズム を参照) のはたらきについて 思い出すでしょう。
今日はまず この点を 考えてみてください:
他の英会話スクール: 音声学を単純化した フォニックスから 音と綴りの法則を学ぶ
MPE: 音韻論から見て 省略される 音素(主に弱母音)が、どうして省略されていくのかを 法則として理解する。
パラドックス的なアプローチですが、日本人の弱点である、音韻(ストレス・タイミング)を軸に 個人レッスンを展開していくと、他の英会話スクールにできない ソリューション を提供できるのではないかと考えます。