英語リスニング学習 の メリットと必要性
MPE の 英会話 個人レッスンでは、スピーキング中心の授業内容であるため、 ”アウトプット・プラクティス を通して 英語操作能力 を高める” ことに 主眼を置いています。 そして、 生徒様の スピーキング(アウトプット)の時間を 最大限確保するために、リスニング(インプット)には 多く時間を割かない点が特徴です。
ただ、リスニングを軽視している ということでは 決してありません。 リスニングは自宅で 一人で出来る学習であるのに対し、スピーキングの意味内容の 正確さを評価し、精緻性を上げる作業では、講師のサポートが必須となるため、スピーキングと 講師の内容精査に時間を取る、時間構成を 考えています。
また、リスニングでの聴解力の向上は、オーディオ教材のナレーションを 何分 聞いたかでなく、”自分の英語発音が正確であれば、その音は必ず聞き取れる” という 音声知覚の運動理論(モーターセオリー / The Motor Theory of Speech Perception)に 基づき、インプットでなく、発音の最適化(音声面でのアウトプット)に 力を注いでいます。
ただ、英語学習では、インプット(読む、聞く)の時間が、アウトプット(書く、話す)の時間を超えることは、絶対にありませんし、むしろ アウトプットは、インプット学習の成果であり、インプットを怠れば、アウトプットの上達は ないと考えます。
特に リスニングに関しては、音声知覚と、意味理解 の2つの観点から、スキルを測定していきますので、英語コミュ ニケーショ ン能力 の基盤ス キルである、音素、音節など 単語より小さな単位での 音声識別力を高め、センテンスの意味理解に繋げて行く、ボトムアップ処理に よる聴解力 の習得を目指してもらう。そして、暗記作業により 語彙サイズを増強し、意味理解力を、上げてもらうよう 各生徒様に提案しています。
英会話 個人レッスンでは、生徒様が 自宅で効率的な 聞き取り学習ができるよう、音声学や 音韻論の基本知識を伝授しています。 これらの知識は、学習者が既知の情報に関係づけて保持され、それによって 意味づけや、新たな気づきを喚起する、有意味受容学習 としての リスニング演習法をデザインし、生徒様をサポートしています。
リスニング学習のポジショニングを考える
リスニング学習が 重要である 第一の理由は “実践的な英会話では、リスニングによる理解度の質が、スピーキング成果に大きく影響を与える。” という点でしょう。 これは 英語学習者であれば、誰でも経験があることと思いますが、”簡単な話題で話しを進めているのに、(何らかの理由で)リスニング能力が うまく作動せず、スピーキングの質が 低くなってしまった。” ということが生じます。 これを回避するためには、コンテクストから切り離しても十分作動する、ボトムアップ処理の リスニング能力を養うことが 大切です。
また、もう一点、注目すべきことは、リスニング(聞く)学習から得た 技能は、他技能(話す、読む、書く)への * 転移が起こりやすいと言われていることにあります。
(* 学習の転移: 知識・技量習得の場面において、ある学習・演習が他の学習へと、影響を与える現象を指します。)
そして、リスニングから 他の技能(話す、読む、書く)への転移は相対的に大きいと言われる一方、他の技能からリスニングへの 正の転移は 小さいと報告している研究は多いのです。 これは何を意味するのでしょうか? この解釈は あくまで、仮説ですが、リスニングは (大脳でなく)小脳に依存する部分が大きい。 そして (顕在意識でなく) 潜在意識を通じて、音声知覚と 意味理解を 自動処理する 割合が、他の技能に比べ 高いことが、影響を与えているのではないかと 考えますが、 講師の皆さんは どうお考えでしょうか?
英語習得や、4技能のうちの 他技能への転移可能性を踏まえると、リスニングの基礎知識や、明示的な訓練法については、積極的に討論し、有効な方法を探求する必要があると思います。
今週の宿題: 一部の英語教材 販売業者が 主張する “英語の聞き流しで、リスニング力が上達する” という インプット仮説に基づいた セオリーについて、自分なりの意見をまとめて、説明できるようにしましょう。