英会話 個人レッスンで キャリブレーションを 応用しよう
英会話 個人レッスンは 1つの部屋で、講師と 受講者の2名で 60分 行われるものです。
特に初めは 見知らぬ 2名が 60分 コミュニケーションを取るわけですから、波長が合わない、うまく相手を引き出せない と感じることも あるかと思います。
個人レッスンが ぎくしゃくして、うまく進行しないと 講師は 必要以上に委縮してしまうもの – この気持ちは グループレッスンの講師には 分からないかも知れません。
このような場合、講師側の 自我が敏感に反応し、 1 話すスピードが 早くなる。 2 深いレベル に会話が進行するのを躊躇してしまう などの状態に陥ってしまいがちです。
こういった ケースは 特に 相手の英語力が高く、その場で 適切な 英語での会話トピックが 思いつかない場合 に起こりやすいのですが、レッスンの内容だけでなく、相手との波長が合わない 時は を 行動観察ツールとしての キャリブレーション (calibration) を 思い出して、起動させるようにしましょう。
本来の * キャリブレーション (calibration) の意味は、測定器が仕様通りの精度で測定できるように校正する作業のことを言います。
* calibration /kaləˈbrāSH(ə)n/ the action or process of calibrating an instrument or experimental readings. (Oxford Languages)
そして NLP心理学(Neuro-Linguistic Programming)の世界では キャリブレーションを 相手の心理状態を言葉以外のサイン、つまり暗黙知のサインを 認識することを指します。 言葉(形式知)以外のサインとは、相手の表情の動き、声のトーンや、口調の強さ、呼吸のスピードなどを 指します。
* Calibration in NLP is the ability to notice and measure changes with respect to a standard. Usually involves the comparison between two different sets of external, non-verbal cues. By comparing, we can notice the difference between persons, places, things, states and behaviors. (引用: NLP World)
一般的には 空気を読む力として 洞察力と 同じ意味で 使われることもある キャリブレーションという言葉。
洞察力が 相手を 全体から俯瞰するようして 見抜き、理解する ことであるのに対し、キャリブレーション は 意識的に 部分を 観察し、フィードバックとしてのアクションに落とし込むことと捉え、洞察力と キャリブレーション の2つを分けて 考えることができます。
キャリブレーションによって、相手の本心や感情がわかり、相手の気持ちに共感するアクションを取ることで 信頼関係(* ラポール)は作れます。
* Rapport is a state that occurs when two people feel that they are truly able to connect with and communicate with one another and is usually based on shared interests, values, and other personal factors. (引用: AlleyDog.com – Phsycology students’ best friend)
キャリブレーションを通して フィードバックとしての共感力を 示すことにより、相手が 心を開いたり、ビジネスシーンでの提案や意見も受け入れられやすくなります。
但し、キャリブレーションは 家族のように 近しい間柄や、損得勘定だけで 思考が成り立っている人には 効き目が 薄い – 相手や状況に合わせた態度・表情で話すことが有効な パラミター を見分けることも 大切です。
相手が 無意識のうちに キャリブレーションを 行ない始めると
英会話講師は 声と言葉を納品する 仕事。 ですから 自分の言葉使いや、声音に 日頃から 気を配することが 大切です。 自分が 誰かと話しをする際、声音、呼吸、視線、姿勢を 意識し、どうすれば 「理想の自分に近づけるか」? 自分に対する キャリブレーション を 日常生活にも 取り入れてみてください。
自分に対する キャリブレーションを 日頃行なうと、何が起こるか?
初対面の相手が こちらに対して ペーシング (* Pacing) を始めるのです。 – もちろん無意識のうちにですが。
ペーシングとは、相手の話し方や、呼吸などのペースを合わせることです。 つまり 受講者の方が こちら(講師)の 呼吸や 声音などに合わせてくるのです。
* Pacing: Pacing the conversation is an important way to do that. In this case, you essentially “mirror” the other person’s pace and communication style with your voice to meet the needs of the other person. For instance, if he or she speaks quickly, you also speak quickly. If they have a slower pace, you adopt that style. If they use sports analogies or humor, you try those techniques as well. You mirror the other person’s tone, cadence, style, and rhythm, which will instantly put them at ease. (引用: Michael Whatmore, Executive Coaching, Leadership
相手の方から、無意識のうちに 信頼関係(ラポール)を 築こうと 動き出します。
相手に 無意識の ペーシングを起こさせる – これを意図的に行なうと 弊害もあると 思いますが、大切なことは カリスマと呼ばれる 人たちは、相手に 無意識のペーシングを 行わせている – つまり 相手は 引き込まれてしまうのです。
受講者の方が 無意識のうちに ラポールを得ようと キャリブレーションを通して ペーシングを始めたとしたら … その講師は カリスマ性を 内包しているのかも知れません。